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 惠隆之介氏の7月号『沖縄戦の真実』は大反響を呼びました。私も戦争関係の作品はかなり読んできたほうですが、改めて多くのことを教えられました。
 講談社の『現代』編集長のとき、読者からノンフィクション作品を募集しました。約300点の応募のうち80%が戦争体験でした。元憲兵、元二等兵、満州からの引き揚げ者、元疎開児童など全ての日本人にとって、支那事変に続く大東亜戦争は、人生最大の“体験”だったのです。
 作品の大半は死に直面したギリギリの体験を生々しく描いており、涙なしには読み進めませんでした。
 私は、東京電力社長を経て経団連会長を務めた平岩外四氏やダイエーの創業者・中内功氏には、生前よくお会いしました。お2人は1兵卒としてビルマやフィリピンの最も過酷な戦いに参加していますが、戦争の話は殆ど口にしませんでした。
 ただ平岩氏は亡くなる直前に、あるミニコミ誌に語っています。戦争体験者は高齢で減ってきました。今のうちに1人でも多く記録を残してほしいものです。

 生命ある限り八月十五日
 10年前に、ある雑誌で見つけた俳句で、作者は忘れましたがずっと心に残ってきました。私は、終戦のとき国民学校5年生でしたが、戦争への思いは全く風化していません。
 町の北台地にあった飛行場で訓練を受けた若い兵士が、やがて知覧や鹿屋へ派遣され、特攻隊員として散華していったのです。休日にわが家へ遊びに来た彼らが母の手料理をおいしそうに食べていた顔は、今でも私の脳裏に焼きついています。

 月曜朝10時過ぎ、会議が終わったところへ社員が「N証券の某々さんから電話が」という。「広報の方だったかな」と思って出ると、何とかいう海外株への投資を勧める話でした。
 最近、海外の株式や商品相場への投資を勧める電話などが増えてきました。数年前、高校の後輩と名乗る男からの「衛星によると米大陸が大旱魃で大豆も小豆も全滅のようです」という電話に、私は一瞬、新聞もテレビも伝えていない特ダネだと緊張してしまいました。ところが、「だから相場に投資して」と続いたので激怒したものです。

 フィリピンでエビの養殖をするという話に誘われて投資した人々が大損し、詐欺団の首魁と幹部が逮捕されました。今どき投資したカネが1年で2倍になるなんて旨い話があるわけがないでしょう。冷静に考えればおかしいと思う話になぜひっかかるのでしょうか。親戚や友達の誘いでも乗ってはいけません。
 妻ががんで闘病中、さまざまな民間の特効薬を勧められました。殆どが「東大の先生も保証した」と権威づけをしていますが、信奉者を集めて興奮させた中で売るところなどマルチ商法そのままです。詐欺漢の手口はますます巧妙化し、温泉に誘って勧誘したり、うなぎだコーヒーだとエサも多彩です。旨い話には乗らない、誘わないを堅持しようではありませんか!

 編集主幹 伊藤

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表紙/山田 宏 カット/遠藤きの子
写真提供/共同通信 毎日新聞 産経新聞 UPI・サン MUNEフォトクリエイティブ・ジャパン

 

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