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金融庁企業?情報を全投資家へと警告
早耳情報を個人投資家にも
証券会社がインサイダー情報を機関投資家へ流すことを厳しく禁じた法案が


■「公平開示ルール」で地殻変動
 森信親金融庁長官の厳格な金融機関改革が、いよいよ個人投資家の世界にも及んできた。その象徴が狆攘凜▲淵螢好罰很伸瓩砲弔覆る法改正である。フェア・ディスクロージャー制度(公平開示ルール)を盛り込んだ金融商品取引法改正案が、この3月に提出される見込みだからだ。同改正法が施行されると、アナリストたちを取り巻く環境が激変し、彼らが享受してきた旨味が失われることになる。  公平開示ルートとは文字通り、資本市場における公平性を維持するための規制だ。アナリストが株式発行企業からいち早く得た未公開情報は、公平性の観点から広くすべての投資家に開示することを定めている。内部の関係者などが未公開情報を利用して株式市場で利益を上げることを禁じた、インサイダー規制と同様の効果を狙ったルールである。  アナリストは通常、業種ごとに担当が分かれ、その業界の上場企業各社の業績予想などを行っている。それをアナリスト・レポートという形で、アナリストの所属する証券会社が得意客である機関投資家などに提供している。アナリスト・ランキング上位にランクインしたような人気アナリストのレポートには機関投資家のニーズがあり、それだけに取り上げられた企業は、レポートに書かれた内容で自社の株価に影響する。そのため、企業はそれなりの配慮をアナリストに払ってきた。  公益社団法人日本証券アナリスト協会が認定したアナリスト(CMA)は、現在、約2万4千人。一次、二次試験の合格率は40%台だ。  アナリストが入手した情報は証券業界の用語で「早耳情報」といわれる。「『ここだけの話』ということで、公表前の業績関連情報を特定のアナリストに企業が洩らす」(証券関係者)のである。この早耳情報を得られるかどうかが「できるアナリスト」の決め手のひとつになっている。  ところが、この早耳情報を悪用した不祥事が一時、相次いで発生した。'15年にドイツ証券で、そして、翌'16年にはクレディ・スイス証券でアナリストが得た早耳情報を社内の営業社員や顧客である一部の機関投資家に流し、その情報に基づく株式売買を行ったり、顧客を勧誘する事件が発覚したのだ。アナリストは、本来の仕事であるレポートにする以前に、電子メールなどを通じて情報提供していた。もちろん、これらは市場の公平性を歪める不正行為である。  ちなみに、ドイツ証券の場合、アナリストが得た情報とは未公表の業績悪化情報であり、情報提供を得た顧客である複数のヘッジファンドが株価下落する前に売り抜けた。事情を知らずに、その売りを買い受けた投資家はその後の株価下落で痛手を被ることになる。  クレディ・スイス証券の場合は、株式調査部門のトップが配下のアナリストたちに、早耳情報など投資に使える情報の提供件数を目標化させていることが発覚した。



■森金融庁長官が率先して勧告
 そこで、日本証券業協会はアナリストの活動を厳格化し、情報管理を徹底する自主ルールを策定した。  たとえば野村證券では、'15年12月から「決算プレビュー」という企業取材に基づいた決算予想を止めた。大和証券でも、アナリストが決算期末15日前から決算発表前日までに取材した場合、未公表の決算情報を一切取得していない旨などを記録、保存するよう義務付けた。  それでも足りずに厳格化に動いたのが森長官率いる金融庁だった。金融庁が策定した金融商品取引法改正のポイントは、違反行為の温床となる早耳情報の取り扱いだ。  簡単にいえば、誰よりも早く情報を入手しても、その情報を直ちに公表しなければならなくなる。公表すれば、「ここだけの話です」という希少価値がなくなって、特定情報に基づく不公正な売買の発生を絶つことができるからだ。  森長官は、「受託者責任」(資産の運用に携わる者が受益者に負うべき責任)の視点から、金融機関に抜本的改革を迫ってきた。「金融機関は本当に顧客の利益になるための義務を負っているのか」という問題提起だ。たとえば、従来の投資信託の販売手数料や手数料水準が、真に顧客の利益となる合理性をもっているか、吟味することを求めている。  今回のアナリストの公平開示ルールの導入も、その一環である。  森長官は昨年4月、日本アナリスト協会で「資産運用における新しいパラダイム」と銘打って講演。日本では家計が1千700兆円の資産を抱え、50%以上が現預金であるにもかかわらず、わが国の過去20年間のリターンはわずか1・4倍程度にしかならない事実を紹介。米国の家計金融資産はこの間、3倍程度、英国では2・5倍程度に増加していたという。 「日本の金融機関はこれまで、総じて個人投資家に対し、手数料の高い金融商品を勧め、それを回転売買し、投資による成功体験を全体として与えることが出来なかったのではないでしょうか。これが個人の預金への選好を強める一因ともなり、銀行自身にも長い目で見て決してプラスの効果が出ないという皮肉な結果になっているのではないでしょうか」



■個人投資家冷遇を是正すべし
 金融行政機関トップのこの指摘は強烈である。  実際に早耳情報をアナリストから得た機関投資家がいち早く株式を売買する。その結果、情報が公開されるまで知りようがない一般の個人投資家は機関投資家よりも株式の売買が遅れることになる。経営にネガティブなケースであれば、機関投資家は損せずに売り抜ける一方で、個人投資家はすでに価格が下がっている株式を売却し、損失を被る。  かつて野村證券が企業の増資情報を特定の機関投資家に洩らしたインサイダー事件で行政処分されたが、要は「機関投資家優遇、個人投資家冷遇」という構図だった。「日本の株式市場は機関投資家優遇」と批判されてきた一端はここにある。  常々、「公正なマーケット」を主張してきた森長官がインサイダー取引と同様に、アナリストの早耳情報による不公平な売買を問題視してきたのもそのためだ。  日本が公平開示ルール作りのお手本とした米国では、1990年代の株式ブーム時に当時の個人投資家が株式市場に参入してきた。それが'00年のITバブル崩壊で個人投資家の多くが損失を被った。これがアナリスト批判の大きな背景になったといわれている。  証券アナリストは、日本では情報収集力の面で劣る一部の全国紙や雑誌などの記者からも情報源として頼りにされてきた。だが、この銘柄分析の分野にもAI(人工知能)が入り込んできた。彼らを待ち受けるのは、リストラの嵐である。

(2017年3月号掲載)
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