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過去の立ち読み記事<2006年1月>

民営化論をひっ下げ
竹中平蔵「NHK改革」で総裁選出馬へ
オリックスの宮内会長や自民党推進派グループと連携して第2の郵政民営化を狙う


■竹中氏が洩らす「素朴な疑問」
 公共放送・NHKの「民営化」が、いよいよ現実味を帯びてきた。NHKを監督する竹中平蔵総務相が12月初め、改革に向けた有識者懇談会の設置を決めた際に、こうぶち上げたのだ。
「NHKはなぜ、不祥事がこんなに続いているのか。なぜ、インターネットでテレビの生放送が見られないのか。国民の素朴な疑問に答えるため、オープンな議論をしていきたい」
 竹中氏のいう「素朴な疑問」とはもちろん、NHKの根幹をなす受信料制度のことだ。同氏は'05年10月末の大臣就任以来「この(NHK)問題は、いろんな選択肢が議論され始めた。自民党、政府の内外でいろんなご意見はあると承知している」(同月31日)、「(民営化の論議に)タブーはない」(11月4日)と発言し、NHK改革に向けて意欲的な姿勢を見せてきた。12月の竹中発言は、NHKにとってまさに「タブー」とされてきた受信料制度そのものに手を突っ込んだ“爆弾”である。
 NHKを巡る不祥事は、'04年夏に発覚した紅白歌合戦を担当していた元チーフプロデューサーによる巨額不正経理事件を発端にして、後を絶たない状態にある。'05年5月、映像デザイン部の職員が470万円を着服。10月、甲府放送局職員が視聴者の住所と氏名リストを紛失。11月には、大津放送局所属の記者が放火容疑で逮捕された。その結果、NHKに対する受信料不払いは120万件を突破した。
「NHKのドン」といわれ、8年の長期にわたってトップの座に君臨してきた海老沢勝二氏が辞任に追い込まれ、後任会長に就任した橋本元一氏は、NHKの信頼回復を掲げて経営刷新を図っていた。その具体策が'05年9月に発表した「新生プラン」だった。プランの中身は受信料不払い世帯に対して、法的措置を取る支払い督促制度の導入と、NHK全職員を10%、1千200人カットする組織のスリム化だ。
 だが、信頼回復を訴えながら、次々と露呈してくる不祥事に視聴者の「NHK不信」はますます高まるばかり。NHKのいう信頼回復とは裏腹に「もう、受信料を支払う視聴者はそう簡単に戻ってこない」(NHK元幹部)との見方が強まっている。
 そうした状況を背景にして、出てきたのが竹中氏の「民営化論」だった。同氏のNHK改革宣言には、小泉首相も「信頼を回復するため、識者に意見を聞く必要がある」とバックアップ発言を行っている。これまでNHKは監督官庁の総務省の庇護の下で、経営拡大と組織温存を成功させてきた。だが小泉改革の「次なるターゲット」として、NHKの民営化が急浮上してきた。
 竹中氏の「民営化発言」と同じ12月6日、政府の経済財政諮問会議の席で、規制改革・民間開放推進会議の議長を務めるオリックスの宮内義彦会長が「NHK改革」を提案した。改革案の中身は、まずNHKの契約世帯の約3割が受信料を支払っていない現状について「(受信料)制度としてすでに破綻」していると言及。そしてNHKの傘下に34のグループ会社が存在している事実を指摘し、NHKが発注する番組制作業務の「ほぼすべてが(34社の)関連子会社と取引(随意契約)」していると問題点を指摘した。



■NHK&農協改革がセットに
 全国紙政治部の記者が、「宮内提案」について解説する。
「宮内氏が打ち出したのは、NHK改革や農協改革で、いずれも規制撤廃・民間開放路線を推し進めるもの。とくにNHK改革では竹中総務相と連携を取って、NHKに揺さぶりをかけるつもりだ。宮内氏は早くもBS放送のスクランブル化に着手すべきだ、という提案をしている」
 スクランブル化とは、あらかじめ受信契約を結び、契約料金を払っていない者は放送を見ることができない有料化システムの導入だ。「有料化=商業化」という新たな課金制度を取り入れることで、NHK民営化の第一ステップにしようとする狙いがある。
 さらに公共放送の範囲を明確化・限定し、NHKが保有する地上2波と衛星3波の「チャンネル削減」もうたっている。放送局にとって波、すなわちチャンネル数は、まさに死活問題だ。「宮内案」はそこにメスを入れていく大胆提案である。
 この動きに対して、総務省は「業務委託および(物品)調達について、競争原理の徹底を図り、透明性の高い事業運営を推進する」と反論。スクランブル化にも「公共放送の根幹に関わる様々な問題がある」と消極姿勢でいる。しかし「NHKの“政界工作部隊”といわれる『総合企画室』は弱体化し、NHKと二人三脚でやってきた総務省も、もうNHKをかばい切れない。あとは竹中氏の胸三寸だ」(NHK関係者)という。NHKの民営化論議は、もはやブレーキの効かない状況にある。
 自民党内でもNHKの民営化論は活発化している。10月末に自民党の有志19人が「NHKの民営化を考える会」(会長は愛知和男元防衛庁長官)を発足させた。会の事務局長を務める山本拓衆院議員がこの動きを語る。
「まず、国民の税金に準じる受信料の使い道について、国民の前でオープンにしていくことが必要だ。7千億円に及ぶ受信料収入をNHKのグループ会社だけで処理(発注)している。この実態を改めなければならない。NHKの子会社や関連団体の売上げは2千600億円を突破し、民間キー局にも匹敵する経営規模をなしている。これを民間開放すれば、多くの企業にビジネスチャンスが生まれてくる。そのためにも公共放送の役割とは何か。国民のニーズを聞きながら、NHKのあるべき姿を根本から議論していくべきだ」
「考える会」の会長を務める愛知氏は党の政調副会長、山本氏は副幹事長の要職にある。「今後、民営化の素案を通常国会に提出していき、秋の自民党総裁選では『NHK民営化』を選挙公約にしてもらう」(山本氏)と、NHK問題を政治課題にのせていく姿勢でいる。
 ここで注目されるのが、竹中総務相の動向だ。竹中氏にはブレーンといわれる岸博幸大臣秘書官が「着々と民営化策を練っている」(総務省関係者)といわれている。岸氏は竹中氏と同じ一橋大卒で、旧通産省出身のキャリア官僚。森政権のIT戦略本部で竹中氏と知り合い、小泉政権の誕生以降は閣僚入りした竹中氏の秘書官に就いている。「竹中氏の知恵袋」(竹中氏周辺)として、郵政民営化法案にも深く関与した。
 竹中氏が経済財政担当相から総務相に横滑りすると、岸氏も内閣府から総務省の大臣秘書官に着任した。竹中氏が描くNHK民営化の絵柄は、側近の岸氏を中心に具体化し、やがてそれが「竹中総裁・総理への布石になる」(竹中氏周辺)という見方も急浮上している。


■本気で民営化なら民放が困る
 では、NHK民営化のイメージとはいかなるものか。竹中氏の動きに詳しい全国紙経済部記者が推測する。
「BS放送のスクランブル化は当然のこととして、焦点となるのは地上2波・衛星3波のチャンネル削減である。これで余った電波を民間へ開放する。放送分野の進出を狙う楽天やライブドアなどが登場してくるというシナリオもある。宮内氏は以前から『日本の放送業界はくだらない民放が占拠している』と豪語し、NHKの民営化を踏み台にして、民放を巻き込んだ放送業界全体のシャッフルを考えていた」
 つまり、竹中・宮内両氏、自民党のNHK民営化推進ラインは「ポスト小泉」に向かって確実に連携を取って動き出したということなのだ。ある森派中堅議員は「ポスト小泉は安倍晋三ではまだ早い。NHK改革で国民のバックアップを得た竹中氏は小泉改革路線を引き継ぐ一番手になる」とまでいう。
 しかし、一方でこんな見方もある。
「実は、NHKが民営化されて本当に困るのは民放だ。NHKは腐っても全国にくまなく知れわたる鯛で、CMが解禁されれば、民放からNHKに流れる広告費はとてつもなく大きい。民放と新聞社が資本の系列関係にあることから、民放はもとより新聞もNHK民営化を声高に叫ばないのは、ここに秘密がある」(全国紙政治部デスク)
 結局、竹中氏や宮内氏が打ち出すNHK民営化論は、放送分野の民間開放を目指すといいながら、行き着くところは海外資本の参入をうながすものという疑念が絶えない。つまり、放送と通信の融合の先進社会・米国にビジネスチャンスを提供するだけという結果になりかねないということだ。
 自民党関係者は「竹中氏はNHK改革をNTTの再々編問題と同時並行で処理していくつもりだ。'06年前半は放送と通信の問題が『郵政民営化』にとって代わる」と予想する。NHKは竹中氏にとって格好のおもちゃなのだ。

(2006年1月号掲載)
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