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■大幅値上げで"最高益"とは！
東京ディズニーランドを運営する��オリエンタルランド（千葉県浦安市）
が「経常利益過去最高」をはじき出した。だが、テーマパーク業界関係者の間では「東日本大震災の影響で１か月以上、営業を休止したのに最高益とはおかしい」と、疑問の声が噴出している。
'12年３月期の売上高は３千601億円で前年同期を上回り、経常利益は662億円と過去最高、入園者数も過去最高を記録した。しかし、前出のテーマパーク業界関係者が指摘する。
「営業休止によって損失赤字を計上したオリエンタルランドは、開園以来最大の危機に直面した。その打開策として、昨年４月、『ワンデーパスポート』の値上げに踏み切った。大人５千800円を400円値上げして現在は６千200円。震災後のどさくさ紛れで値上げをして"最高益"とは、批判を受けても当然だ」
'83年の開園時は大人の１日パスポートが３千900円だった。当時はこれでも高いといわれたが、いま家族４人でディズニーランドに行ったら、軽く５万円は吹っ飛ぶ。これが地方から出てきてホテルでも泊まろうものなら、数十万円の出費である。
しかし、オリエンタルランドは、これらの"絶好調"がいつまでも続くとは思っていない。新アトラクションなど毎年、数百億円の設備投資を繰り返しているから、絶えず"次の策"が必要になってくる。
そんななか、オリエンタルランドが新たに９月から始めるのが、東京ディズニーランド内の『シンデレラ城』を舞台にした結婚式である。いままでも周辺ホテルでは挙式が可能だったが、パーク内挙式は開園以来、初めてだ。
ディズニーファンが興奮していう。
「ディズニー・ロイヤル・ドリーム・ウエディングといって、シンデレラ城での挙式後、披露宴でミッキーマウスやミニー、グーフィなどが祝福してくれるプランです。結婚式はいまのところ50人まで招待できるそうですが、費用は招待客50人プランで750万円かかるそうです」
最近は地味婚から再び、派手婚へ変遷してきているというが、それにしても高すぎるのではないか。ディズニーランドはいよいよ「結婚ビジネス」にまで手を出そうというのか。
早くも「シンデレラ城」結婚式に関する問い合わせが殺到しているというが、そんななか、今後波紋を呼びそうな問題が出てきた。それが、同性愛カップルによる挙式である。前述の「ディズニー・ロイヤル・ドリーム・ウエディング」の参加者を募集したところ、女性同士の同性愛カップルが挙式を認められたという。
■男性同士のホモカップルも?!
この女性は同性愛者の支援活動に関わっているＡさんで、結婚式を管理するオリエンタルランドの子会社、��ミリアルリゾートホテルズに申し出た。しかし、担当者にいったん断られたため、その対応に落胆して経緯をツイッターに書き込んだという。その後、波紋が広がり、米ウォルトディズニー本社の耳にまで入り、Ａさんと相手の"女性"の同性結婚式に許可が下りたという。
だが、シンデレラ城で行うとなると、ディズニーランドを訪れるあらゆる人の目に留まる。女性同士のカップルが認められれば、当然、男性同士のホモカップルも認められなければならない。本人たちにとってはまさに「夢のテーマパーク」だが、子どもを連れてきたお父さんは何と説明すればいいのだろうか――。
ちなみに、同性カップルでも一方がウエディングドレス、もう一方が燕尾服など男性の正装をしていれば認められるとの話もあった。本誌の疑問について、オリエンタルランド広報部の加藤勉氏が答えた。
「今回スムーズに進まなかったのは、社内の認識が行き届いていなかったためだ。規定などで、いままで同性の結婚を認めていなかったわけではない。服装も男役がタキシード、女役がドレスと決まりがあったわけではない。世界のディズニーリゾートでもそれは同じだ。カップルは男性と女性だと決めてはいない」
ただ、加藤氏は「今回の（女性同士の）挙式は、まだ正式に成約したわけではない」ともいう。やはり今後の波紋の大きさを考えて、オリエンタルランドのほうも"再考"しているのだろうか。いずれにせよ、ホモやレズのカップルをミッキーやミニーが祝福するという図は、どう見ても違和感があるのだが……。
また、マスコミはほとんど目立たないようにしか報じていないが、５月28日、ディズニーシー内にあるジェットコースター「レイジングスピリッツ」で乗客が大けがする事故が起きた。乗客を固定するための安全バーが下がらず発車したため、降りようとして全治２週間のけがを負ったという。こうした事故は「初めて」と発表されているが、いままでにもさまざまなトラブルの噂が絶えない。
■加賀見会長の「利益至上主義」
このアトラクションは６人乗りのトロッコのような車両が二つ連結されており、360度回転するという乗り物だ。オリエンタルランドによれば、従業員が安全バーの仕組みをよく理解していなかったという。安全教育やマニュアルの見直しを行うというが、「利益至上主義」の体質が巻き起こした事故ではなかったか。
今回の事故で加賀見俊夫会長や上西京一郎社長は月額報酬30�諭複韻�月）を返上するという。しかし、それですむ問題なのか。上西社長は'09年から社長に就いているが、現在の「利益至上主義」体制を指揮しているのは、加賀見会長である。
さらに、加賀見―上西体制を揺るがしかねない事態が発生している。それはディズニーリゾートを抱える浦安市が、東日本大震災で生じた宮城県と岩手県のがれきで、ディズニーシーの南東側にある海を埋め立てて公園にする構想を発表したからだ。松崎秀樹市長が打ち出したもので、横浜の山下公園は関東大震災のがれきを活用したが、浦安も「第二の山下公園」を目指すという構想だ。
場所がディズニーリゾートのすぐ隣ということもあり、放射能の風評被害が出ないとも限らない。
浦安市環境保全課にこの件を問い合わせたところ、「いまは浦安市が国に働きかけていこうというもので、まだ構想段階だ。だが、浦安市も被災しているので何かできることがあればと市長が提案した」という。
一方のオリエンタルランド広報部の加藤氏は「構想があるという話は聞いているが、いまは海だし、浦安市のほうがやっていることだから、うちには関係ない」という。
しかし、公共交通機関や周辺道路整備まで、浦安市はオリエンタルランドと連携してきた。加賀見会長と松崎市長は太いパイプで結ばれており、関係がないはずはない。
独り勝ちにあぐらをかいていると、とんでもない事態になる。
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